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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係
翌日の朝、翔也は家を先に出た。
今日は朝から会議があり忙しいと言っていた。
私はそれから数分後、私も会社に向かうため家を出た。
重厚な門をくぐり、外の道路に出た時だった。
突然、女性の声が聞こえて来た。
「そこのあなた…ちょっと良いかしら。」
私は声を掛けられたことに驚き、目を大きく見開いて振り返った。
そこに居たのは、早乙女専務ではないか。
もちろん昨日、翔也が話してくれた元カノだ。
「あなた…なんで、藤堂副社長の家から出て来たの?…もしかして、うちの社員?」
「…ええと…その…はい。社員ですが…。」
何をどう説明したら良いのだろう。
言葉が出てこない。
「あなた…藤堂君とどんな関係なの?」
どんな関係と聞かれても、何と答えて良いのかわからない。
そもそも、私はどんな関係なのだろうか。