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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係

私が言葉に困り何も言えずにいると、早乙女専務はさらに言葉を続けた。

「あなた、藤堂君の優しさに甘えて付け込んでいるのではないの?あんまり迷惑をかけないで欲しいわね。」

「私は…優しさに甘えているかも知れませんが、あなたにご迷惑はお掛けしていません。」

私は何を言ってしまったのだろう。
言い返すつもりは無かったが、一方的に攻められては反発したくなる。

すると早乙女専務は鋭い視線を私に向けた。

「藤堂君に相応しいのは私なのよ。あなたみたいな平凡な女性が藤堂君のまわりにいるだけで目障りだわ。理由は分らないけど、今すぐこの家を出て行って欲しいわ。」

私は言い返したい気持ちをぐっと堪えて、その場から立ち去るように歩き出した。
私が歩き出すと、早乙女専務は私に後ろから吐き捨てるように言葉を出した。

「後で後悔しないようにね。」

どういう意味だろうか。
とても恐いが、私が早乙女専務から攻められる筋合いはない。

しかし、この後大変な事件が起きてしまうのだ。

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