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わたしの彼は 甘くて強引
第10章 大切な人

「――…行くぞ…ッ」
ポケットから引き抜かれた匠の手は、柚子の肩に回される
「……ッ」
ゆっくりと動き出した彼の足に合わせて柚子も歩き出す。
肩を引き寄せられたままでなんとも歩きにくい……
それでも彼女の頬は薄く染まっていった。
「匠さんのお母さん…どんな人かなぁ…」
美人さんかな
「……ふん」
鼻で笑った匠
何か言いかけて、思いとどまって口をつぐんだ。
そして――
彼は改めて口を開いた
「――…確かにお袋は
何がなんでも結婚相手だけは紹介しろと…
昔からうるさかったからな
………これもいい機会だ」
「――…」

