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わたしの彼は 甘くて強引
第10章 大切な人

「ああ…わかった指輪だな!!…今から買いに行ってやる」
「…グスッ…違う…!!」
「…なら何が不満だ」
「違います…っ…バカッ」
「……ばッ///」
初めて柚子に言われたその言葉に、少々焦り気味の匠は驚いて顔を赤くする。
「不満なんてない…っ」
「……」
「これは…――! 嬉し泣きです……ッ!!…バカ…」
「――馬鹿はやめろ…!!」
ポロポロ零れ落ちる涙を、匠は空いた方の指で乱暴に拭った。
それでも泣き止まない彼女
匠は両肩に手を添えて、その額に軽くキスを落とす。
柚子の涙を止めるには――
これが一番の薬だ。

