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わたしの彼は 甘くて強引
第3章 旅先の一夜



「………ハァ……ハァ…」


――寄せてはかえす果ての余韻に、脱力した彼女の身体



匠は依然として指でナカをほぐしながら、肩で息をする柚子を愛おしげに見詰める。



「……ッ」

柚子は上半身だけを振り向かせると、彼の首に手を回した。


「……」


キスを求める彼女のために、匠は顔の高さを合わせてやる


目を閉じて舌を絡ませた二人の唇の隙間で、熱い吐息が交錯する――


顔の角度を何度も変えながら
深い接吻はしばし続いた。






グチュ・・…


「――ん…ッッ」


「…ハァ…、柚子」


匠はもう一度、先ほどの問いを繰り返す


「…指だけでいいのか?」

「…アっ…ッ」

「欲しいものを言え…」

「……ぁぁッ」



再開したナカへの刺激に、眉を寄せて切なく喘ぐ柚子


「……ッ」


一瞬だけ…唇をきゅっと引き結んだ後

ついに白旗をあげた。




「…挿れて欲しい…っ」


か細い声――



「……」

「…あッ…ン」



それを受けて指がゆっくりと引き抜かれた。



自分から求めてしまった恥ずかしさで匠の顔を見ることができない彼女の肩に、そっと唇が落とされる。



「たまには…素直なお前も可愛いな」

「……っ」


その声に皮肉気な色は含まれておらず、ただただ優しく…柚子を包み込んでいた。




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