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わたしの彼は 甘くて強引
第4章 犬猿の仲




―――――




「…もう、何で今日はそんなに機嫌が悪いんですか」



横断歩道を渡ったところで、翔は二人と別れ、


サヨナラの挨拶もしない匠の顔を見上げながら、柚子は困ったように尋ねていた。



「あの茶髪といるとイライラする」

「…、なら何で一緒に来てくれたの?」

「・・・・」

「……」


先輩のことになると、匠さんはいつもこう…

子供みたいに頑固になっちゃうんだから



柚子は溜め息をつく。



「――…お前もあいつに騙されるな」

「…!?」

「お前の前ではいつも愛想を振りまいてるが、あいつには…若干俺と似たところがある」



似たところ?



「…不良ってことですか?」


柚子は率直な思いを口にしたが


「…ッ!!…馬鹿かお前はっ」


どうやら違ったようだ…。





「…ニコニコと笑ってばかりの男ではないということだ」




匠はそう言って再び顔をしかめた――









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