この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わたしの彼は 甘くて強引
第4章 犬猿の仲

―――――
「…もう、何で今日はそんなに機嫌が悪いんですか」
横断歩道を渡ったところで、翔は二人と別れ、
サヨナラの挨拶もしない匠の顔を見上げながら、柚子は困ったように尋ねていた。
「あの茶髪といるとイライラする」
「…、なら何で一緒に来てくれたの?」
「・・・・」
「……」
先輩のことになると、匠さんはいつもこう…
子供みたいに頑固になっちゃうんだから
柚子は溜め息をつく。
「――…お前もあいつに騙されるな」
「…!?」
「お前の前ではいつも愛想を振りまいてるが、あいつには…若干俺と似たところがある」
似たところ?
「…不良ってことですか?」
柚子は率直な思いを口にしたが
「…ッ!!…馬鹿かお前はっ」
どうやら違ったようだ…。
「…ニコニコと笑ってばかりの男ではないということだ」
匠はそう言って再び顔をしかめた――

