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わたしの彼は 甘くて強引
第5章 夕暮れの河川敷

柚子たちと別れた翔は、事務所に帰るべく足を進めた。
暫く歩けば都心部から少し外れて
車の往来も少なくなる。
日暮れにさしかかりオレンジ色の光が辺りを柔らかく照らす中で、彼は河川敷沿いの道をゆったりと歩いていた。
「…神経質な奴だな」
市ノ瀬……
自分に絶対的な自信を持っているような人間かと思っていたが、どうやら違うようだ
それほど、俺が彼女を奪いはしないかと心配なのか……
そんなものは杞憂だよ
あの二人を引き裂くことなんて並大抵のことではない。
そんなことにすら気づいていないのは、当の本人だけだ。
だから俺は……
柚子を諦めたのだから

