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わたしの彼は 甘くて強引
第5章 夕暮れの河川敷

別に柚子が翔にとって初めての恋ということではない。
ただ翔にとって
実らない恋というのは彼女が初めてだった…。
「……っ」
どれだけ願っても手に入らないものへと、余計に積もるのは切ない恋心
あの時は、ずっとその想いに苦しんでいた
「――…」
――だが今は違う
俺も男だし、
それにいい大人だ
一度の失恋を受け止めきれないような、そんなヤワな自分じゃない。
ようやく最近、彼女を一人の後輩として見ることも難しくはなくなってきたところだ。
「直に俺も…、新たな一歩を踏み出せそうだよ」
河川敷では子供たちが野球をして遊んでいる
翔はそちらに目をやりながらゆっくり歩を進めた。

