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わたしの彼は 甘くて強引
第8章 油断の代償



「――やぁ、市ノ瀬の彼女さん♪」



「…!!」



匠がいなくなった席に交代して座ってきた男がいた。


「誰…!?」


白衣を着たその男は――

驚く柚子に笑顔を向ける。



「僕、あいつと同期なんだ」

「…そう…でしたか。はじめまして…!」


穏やかな話し方と爽やかな笑顔はどこか、

先輩に似ている気もする…。


でも、初対面にもかかわらずのこの馴れ馴れしさは、わたしはあまり好きではなかった。



その人は構わず話し掛ける



「それにしても二人はラブラブで羨ましいなぁ―」

「…そんな…っ、ラブラブなんて」

「へぇ~?でもさっき、キスしようとしてたよね?」

「……っ」


それは本当のことだから
どうにも言い訳できない。



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