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わたしの彼は 甘くて強引
第8章 油断の代償

昔の彼が蘇る――
「…これをどうするんですか」
柚子は目の前の男をキッと睨んだ。
けれどその表情は、深い悲しみに満ちている。
「…枝をいっぱい引っ付けて広めても面白いけど?医者は聖職だからね、こういう噂は致命的だ」
「…匠さんを脅迫でもする気ですか?」
「俺は今、君を脅迫してるんだよ…彼女さん」
「……!!」
この男…!!
「…わたしを脅しているのでしたら別の場所で話して下さい。この記事を匠さんに見せないで…!」
匠さんがこれを見たら、悲しい過去を思い出させてしまう
「へぇ…君は市ノ瀬に優しいな。いいよ、場所を変えても」
「……」
男は椅子から腰を上げ、柚子も鞄を手にして一緒に立ち上がった。

