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血ダマリ美青年の狂気愛
第4章 囚われた身体


──

「──はっ!」


パチッ!


その後気を失っていた少女は、まるで悪夢からの目覚めよろしく、怯えた様子で目を覚ました。

身体は椅子に拘束されたまま…。

鼓動の激しさも、下腹部の熱も全くおさまっていなくて、気絶していた時間はほんの少しだったとわかる。

「生きてたな」

「っ…!」

「起きてよかった。意識ないあんたで遊んでも面白くない」

「ああ あ…」

少女の顔にみるみる焦りが滲んでいく。

どんなに整った美しい容姿であろうと、目の前のこの青年は恐怖の対象でしかない。

逃げ出したい、逃げ出したいと、無駄にもがいて椅子をきしませた。

「……」

それを横目で見ている彼は、悠長なものだ。

透明なガラスの容器にはいった水を口に含んで飲んでいる。

「あんたも飲め」

「…ッッ…、来ない で」

「上からも下からも盛大に水まき散らして、干からびても知らないからな?」

涎と涙で濡れた彼女の唇に容器の口を押し付けて、馬鹿にした口調で言う。

「そこに置いてあった物だが、俺が先に飲んでおいた。毒じゃない、ただの水だ」

「……っ」

「強情だな…」

片膝を椅子に乗り上げた彼は、とても飲む気になれない彼女の顎を掴んで口付けた。

「んん…!」

「…チュッ…、ハァ、……口、開けなよ」

「ん、はぁ……はぁ……」

「……クク、そうだ」

唇を重ねて…舌でなぞってやると、無意識に彼女の口がひらいて悩ましい声が漏れる。

そうやってから青年は容器の水を口に含み、再び彼女に被さった。


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