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家庭教師のさよ子先生 誘惑のノースリーブ
第7章 ABC3 小夜子のターニングポイント
 同志社大学の試験会場からそのまま電車を乗り継ぎ、私は京都府内から大阪府堺市への約1時間半の移動を考え事をしながら過ごしました。


 おじいちゃんは元々大阪市内の公立高校の先生で、一介の英語教師から最終的には校長にまで上り詰めた人でした。

 英語と教育を愛するおじいちゃんは教員を定年退職してからは地元の子供たちを対象にした英語塾を経営し、幼い頃の私は母の実家を訪れる度に英語塾の生徒に紛れておじいちゃんから英語を教わっていました。

 私が家庭教師になるための学歴を得ることだけを目当てに京都大学の医学部医学科を目指すと言った時、何とバカなことを考えるのかと私を非難した両親に対しておじいちゃんだけは小夜子が自分の学力をどう活かそうがそれは小夜子の自由だと私を肯定してくれました。

 おじいちゃんは小夜子の英語だけは自分が面倒を見たいと言って高校生の私に平日は毎晩1時間もの講義を電話で行ってくれて、そのおかげで私は大学受験で英語で苦労することは全くありませんでした。

 そんなおじいちゃんは私が大学生になってすぐに体調を崩し、病院での検査で進行大腸癌と診断されてから1年以上も闘病を続けてきたのです。


 京都大学での最初の1年間で医学生生活に見切りをつけた私は2回生になってすぐに休学し、その後は家庭教師の個人アルバイトを続ける傍らおじいちゃんのお見舞いにもたまに行っていましたがおじいちゃんはその度に家庭教師になるための訓練は順調かと聞いてくれました。

 落ちこぼれ高校生だったチアキくんを見事同志社大学に合格させられたらその成果を報告しに行きたいとずっと考えていましたが、おじいちゃんの生命はもはやそれまで持たないのかも知れません。

 頭の中でこれまでの自分の人生についてぐるぐると考えていると電車は堺市内に到着し、私はおじいちゃんの自宅への道を急ぎました。
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