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家庭教師のさよ子先生 誘惑のノースリーブ
第7章 ABC3 小夜子のターニングポイント
「さよちゃん! よかった、間に合ったのね。今ならおじいちゃんとお話できるから、どうか……」
「小夜子、来てくれたんだね。ここまで長かったろう、そこに美味しいおせんべいがあるから食べていきなさい」
「おじいちゃん! どうしたの、目を開けてよ……」
寝室の布団に横たわっているおじいちゃんの枕元には伯母さんとその旦那さんと小学生の従弟、そして在宅医療の主治医の先生と看護師さんが集まっていました。
おじいちゃんは笑顔を浮かべて私におせんべいを食べるよう勧めますがもはや目を開けるのも苦しい様子で、私はここ数か月間多忙を理由にお見舞いに行けていなかった自分を強く恥じました。
それに、お見舞いに行かなかったのは多忙だけが理由ではなかったことも。
「おじいちゃん、私家庭教師として頑張ってるんだよ。今日だって同志社大学を受けに行く男の子を見送ってきたの。おじいちゃんみたいに沢山の教え子を育てて、教育という形で社会に貢献したいって……」
「うん、うん。小夜子は私の思いを受け継いで立派な家庭教師さんになるだろう。学校の先生だって塾講師だって家庭教師だって、この世界に一人でも立派な人たちを増やしていこうとする試みに変わりはないんだ。だけどね……」
もはや呼吸をするのも苦しいはずなのに、おじいちゃんは病床で必死で言葉をつなぎます。
「小夜子、来てくれたんだね。ここまで長かったろう、そこに美味しいおせんべいがあるから食べていきなさい」
「おじいちゃん! どうしたの、目を開けてよ……」
寝室の布団に横たわっているおじいちゃんの枕元には伯母さんとその旦那さんと小学生の従弟、そして在宅医療の主治医の先生と看護師さんが集まっていました。
おじいちゃんは笑顔を浮かべて私におせんべいを食べるよう勧めますがもはや目を開けるのも苦しい様子で、私はここ数か月間多忙を理由にお見舞いに行けていなかった自分を強く恥じました。
それに、お見舞いに行かなかったのは多忙だけが理由ではなかったことも。
「おじいちゃん、私家庭教師として頑張ってるんだよ。今日だって同志社大学を受けに行く男の子を見送ってきたの。おじいちゃんみたいに沢山の教え子を育てて、教育という形で社会に貢献したいって……」
「うん、うん。小夜子は私の思いを受け継いで立派な家庭教師さんになるだろう。学校の先生だって塾講師だって家庭教師だって、この世界に一人でも立派な人たちを増やしていこうとする試みに変わりはないんだ。だけどね……」
もはや呼吸をするのも苦しいはずなのに、おじいちゃんは病床で必死で言葉をつなぎます。