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結ばれなかったパートさん 〜寂しいブルーベリー〜
第3章 手とクチでシテくれたパートさん
次に登場するのはお店が閉店してしまい、スタッフみんなで最期の打ち上げをした日の夜の出来事です
とある店の最期の夜
閉店時間セールも終わり、
残った商品の振り出し作業も終わり、
壁面やゴンドラ什器もすべてバラして、すっからかんになった店内で
みんなで食材を持ち込んで、最期のパーティーをしました
朝の主婦パートさんたち、
夜の学生バイトくんたち、
そしてサブとして働いてくれたフルタイム雇用のフリーターたち、
特にこの店ではフルタイムのフリーター4人も居て、4人ともボクと同い年の女の子たちが居ました
口のキツイ言い方をする子や、優しすぎて何も言えない子など、性格はバラバラでしたがボクを含めて同い年4人は全員でお店をフル稼働させてきました
それでも会社全体の不振には抗えず、やむなく閉店となってしまったので、ある意味ボクらはやりきった感がありました
時間も夜中になって、さすがにお開きとなり
中を片付けて、明日は業者さんによる撤去のみです
ボクらはここで全員サヨナラとなりました
女の子同士で泣いたり抱き合ったりしてましたが、ボクは男だし、店長でしたので時間のケリをつけてみんなで施錠し、解散となりました
それぞれが車やバイクで帰っていきます
ボクは全員が出ていくのを見守っていました
最後に残ったのはフルタイムのパートの中でも、いちばん大人しい女の子です
当時ボクは20代なかば、
同い年なのでその子も20代なかばです
正直いってその大人しい子はなぜおとなしいのかと言うと、自分の身体つきにコンプレックスがあったからです
かなり大柄で太っていました
ぽっちゃりさんではなく、
酷な言い方をするとおデブちゃんです
他のフルタイムの女の子がみんな彼氏もち、
ボクも遠距離の彼女がいましたが、同い年4人の中でその子だけ恋人がいませんでした
今まで男性と付き合った経験も無かったことも聞いていました
自分が太くて、顔もそんなに良くは無かった
だから自分に自信がなく、他の子たちよりおとなしかったのです
そして
この子はボクの事が好きでした
それは本人からでなく、周りから聞いていました
だから最後に「少しだけ話ししようか?」と声をかけたのです