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君とメメント・モリ
第1章 窓の向こうに見えるのは、欲情に淫れたあられもない姿の女
俺をじっと見つめているように視線を定めてはいるが、その目に映っているのはカーテンの隙間にのぞく、一筋のうつろな夜空だけだ。
俺はその貌(かお)にくぎ付けになった。アーモンド形の程よい二重に、長いつややかな睫毛。透き通るような美しい白目と、かすかな光を受けて煌めく茶色い瞳。ほっそりと通った鼻すじからふっくらとした唇にかけての繊細な曲線。つややかな頬に華奢な顎。
汗に濡れた肩までの髪が波打って、嫋やかな鎖骨に貼りついている。
美しい。なぜか俺はそう思ってしまった。人間を“美しい”だなんて、俺はどうかしている。
俺はその貌(かお)にくぎ付けになった。アーモンド形の程よい二重に、長いつややかな睫毛。透き通るような美しい白目と、かすかな光を受けて煌めく茶色い瞳。ほっそりと通った鼻すじからふっくらとした唇にかけての繊細な曲線。つややかな頬に華奢な顎。
汗に濡れた肩までの髪が波打って、嫋やかな鎖骨に貼りついている。
美しい。なぜか俺はそう思ってしまった。人間を“美しい”だなんて、俺はどうかしている。