この作品は18歳未満閲覧禁止です
君とメメント・モリ
第11章 12月25日夜 復讐はクリスマスの夜に
ロビーで見た拓斗の青白い顔を思い出し、凛は尋ねた。
「拓斗とはどんな話を?」
「所持金と銀行の貯金をすべて預かってきた。足りない分は実家に頼んで年内に返済するという書面を取り交わした。これでお前の金は戻ってくる」
死神は凛をベッドに座らせると、ポケットから書類と厚みのある封筒を取り出して凛に差し出した。
「翼さん、私のお金を取り返すために準備してくれてたんですね。ありがとうございます」
凛は封筒を胸に抱いた。