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君とメメント・モリ
第18章 死神の秘密
十六年前、翼はあてどなく浮遊する魂だった。
いつから自分が浮遊する存在になって、どれほどの期間をそのように過ごしてきたのか、翼自身にもわからなかった。
形もなく、曖昧で、誰からも認められることのない存在でありながら、それでも存在し続けなければならないというのは、まさに地獄のような日々だった。
そんな出口のない絶望のような永遠の時間からすぐい上げられるように、翼に、初めて魂の器を当てがわれた。死神になるための試練を与えられたのだ。