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君とメメント・モリ
第20章 死神の力
両親の死をきっかけに、凛は周囲に分厚い壁を作った。
同情されたり、可哀想な子、という目で見られるのを恐れて、悲しみに、自分すら気付かないように重い蓋をし、あらゆる感情を押し殺すようになった。

それが、当時の凛にとっては一番楽な生き方だったのだ。

けれどもその生き方が、次第に凛自身を苦しめることになった。
恋人には本音でぶつかることができず、いつもそばに居る親友にさえ、心を開かない。職場ではみな、凛を「クール」と決めつけている。凛は嘘の鎧で身を固め、その鎧の中で苦しみ、もがいていたのだ。

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