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君とメメント・モリ
第7章 なぜ凛は死のうとしたのか
「その寂しさに苛まれている拓斗に、相談されて、支えずにはいられなかった私の立場も、分かって欲しい」
凛は愕然とした。夏美の話によれば、凛が拓斗に冷たくしたことで、拓斗の心が夏美に傾いたということだった。
確かに凛は、仕事には真剣に打ち込んでいた。夢である企業に就職が決まり、凛は会社のために多少の無理なら厭わないという思いがあった。だがそれは今に始まったことではなく、拓斗がただの同僚だったころから同じだから、彼はそれをよく理解していると思っていた。
凛は愕然とした。夏美の話によれば、凛が拓斗に冷たくしたことで、拓斗の心が夏美に傾いたということだった。
確かに凛は、仕事には真剣に打ち込んでいた。夢である企業に就職が決まり、凛は会社のために多少の無理なら厭わないという思いがあった。だがそれは今に始まったことではなく、拓斗がただの同僚だったころから同じだから、彼はそれをよく理解していると思っていた。