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君とメメント・モリ
第7章 なぜ凛は死のうとしたのか
夏美は自分のせいでこうなったと言うが、拓斗への接し方を非難して聞こえるのは思い違いだろうか。いずれにせよ凛は、自分の恋人を横から奪った親友を、なぜか必死になぐさめる羽目になったのだった。

夏美は悪くないと言って、泣きじゃくる幼馴染をなだめたものの、オフィスに戻って落ち着きを取り戻すと、どうして私が略奪者である彼女を慰めなければならなかったのか、泣きたいのは自分の方ではないか、と我に返った。

夏美との間には、こういったちぐはぐな出来事が往々にして起こるのだが、これも一つの友達関係なのかと凛はこれまで自分を納得させてきた。
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