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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第2章 直哉様のお屋敷
『まぁ…その顔…見とったら。
それも…覚悟出来とるって意味やな?
ほんなら…話は…早いねん…。
んじゃあ、そう言う…訳…やから…、
精々…きばりいや?一花ちゃん』
走っていた車が…どこかで止まった。
どうやら…ここが…目的地の様だ。
私の膝の上に乗せていた頭を
直哉が起こして起き上がると。
『ほら、着いたで。
ここが…俺んちな…、
今日から…一花ちゃんの家』
運転手が…後ろに回って来て
後部座席のドアを開いた。
直哉が…先に車から降りて、
その後に…続く様にして車から降りる。
ここが…どこかは…分からないけど、
竹林に周囲を囲われた
本家も…凄いご立派なお屋敷だったけど。
この…神室寺直哉と言う人が
住んでいる…この家も…
凄い…古そうな…立派なお屋敷で。
母屋と思わしき大きな建物を中心に、
それから続く離れが…あって。
建物の中央に…、立派な
日本庭園があって…どの建物からも
お庭が眺められる様になっている様だ。
その庭園の奥に…茶室なのか
小さな離れの様な別棟の独立した
建物があるのが…見えた…。
それに…立派な蔵まであって…。
見る場所と情報が多すぎて
ついついキョロキョロと
一花は周囲を見回してしまっていた。
玄関の前に…ずらっと…
このお屋敷の使用人らしき人が
6人…直哉の帰りを出迎えていた。
『お帰りなさいませ、直哉様』
『おう、ただいまぁ~今帰ったで。
こっちが…さっき俺が、LINEした…
例の…宝生の家の子な?
んで…勿論やけど…用意できてんの?』
直哉が声を掛けた
使用人の男性が…深々と
直哉に向かって下げていた頭を
更に深く…下げる。
『勿論に御座います、直哉様』
『ほな…後は…任せるわ。
俺は…自分の部屋で
ゆっくりしとるさかいに。
支度が…済んだら、声掛けてぇや』
『はい…、賜りました』