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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第8章 先斗町のお茶屋

結局…他の人にばっかり飲ませて
飲み足りないと言って、
自分も一緒に飲んでいて…。

そんなこんなして居る内に
大嶋先生が次の予定があるのでと
秘書らしきスーツ姿の女性が
大広間でお座敷遊びをしていた
大嶋に声を掛けて来て。

舞妓さんとのお座敷遊びは、
お開きと…なった。

食事と合わせて…3時間半ほど
時間が経っていたので…。

現在の時間は…16時前…になっていて。

鴨川沿いの料亭の前に
迎えに来ていた車に乗り込んで。
そのまま…次の目的地である
直哉の行きつけの温泉旅館のある
亀岡へと…向かった。

亀岡市にある温泉は…
湯の花温泉と言うのだそうで。
さっきの鴨川沿いの料亭からは、
車で50分ほど…の移動になるのだそうだ。

京都の市街地を抜けて…、
亀岡へと伸びる京都縦貫道を通って。
亀岡市へと向かう…。

『一花ちゃん…お仕事やでぇ』

後部座席で並んで座って居ると、
直哉が私に枕になる様に言って来るから。

「膝枕…ですね…どうぞ…」

『せやせや、自分も…
よー分かって来たやんか…』

亀岡市の市街を…抜け行って。
スタジアムとかのある
大きな運動公園を横断して…。

目的地の…湯の花温泉は
亀岡市の外れの山の方にあるらしい。

「温泉…楽しみ…」

『あっち着いたら…先に
温泉入りに行こか…?』

寝ていると思っていた直哉から
独り言への返事が返って来て、
一花は驚いてしまったのだが。

『時間…5時前ぐらいやろ?
温泉浸かっとったら…丁度
…ええ感じに飯の時間になるやろし…。
はよ…さっさと…コレ脱ぎたいねん…』

いつも…和服の直哉も…、
色紋付は…窮屈に感じる様で…。

『一花ちゃんも
それ…はよ…脱ぎたいやろ?
部屋…行ったら脱がせたろな…』

「自分で…脱げます…が…?」

『分かっとらんなぁ…、一花ちゃんは。
俺が脱がさせぇ言うてんねんから。
そこは、素直にハイ…言いんかいな…』


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