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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第8章 先斗町のお茶屋

「いや…しかし直哉様。
あの…、ここには…
2人で…立てないと…思いますが…」

『なら、こうしたらええねん』

ふわっと…自分の身体が宙に浮いて
直哉に抱きかかえられた様だった。

所謂…お姫様抱っこの状態で
私を抱えたままでも…
この…人は…涼しい顔をしていて。

5人の舞妓さんも…
地方さんの目線も…
その…直哉の姿に釘付けになっていて。

自分の頬に手を当てて
ほぅっと…熱い吐息を漏らしている。

『ホンマ…、神室寺の旦那はんは
男らしゅうて…素敵やわぁ~』

『あぁん…、うちの事も抱っこしてぇ~』

と…そんな感じ…で…新聞の上から
舞妓さん達が崩れてしまったので。
この陣取りは…私達の勝ちになって。

『もう…ホンマ…お強ぉどすなぁ…』

『うち等…旦那さんに
飲まされてばっかりやわぁ』

と…言いながら…グラスのお酒を
舞妓さん達5人と…、
大嶋先生も…また飲み干して…。

その後は…投扇興と言う
扇子を使った射的みたいな…
纏当てゲーム…みたいな。

お座敷遊びをする事になったんだけど。

『俺…これもめっちゃ得意やねんで』

確かに…何となくだけど…、
こう言うの…上手そうな感じがするな。

「和風のダーツ…
みたいな…感じですかね?」

『ダーツやったことないわ…、
でも…おもろそうやし…。
今度…してみてもええなぁ…』

ダーツって…ダーツバーとか
お酒が飲める場所とか
こう…ラウンドワンみたいな
ボーリング場とかに…ありそうだけど。

バリバリの和服の直哉様が
ダーツしてる姿って…。
凄い…違和感が…しそうだなぁ…。
それはそれでちょっと見てみたいけど。

でも…どこかに…ダーツを
やりに行く…と言うよりは…
あのダーツ台…買ってったでって言いそう…。

投扇興は得意と自慢げに
言っていただけあって…。
投扇興も直哉様は、独り勝ちで
負け知らずだったんだけど…。

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