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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第13章 『私』の鳴く場所……

レストランは1階にあるが、
このホテルのすぐ近くには
有名な吉兆もあるし、
食べる場所には困らない
立地にあるホテルなので。

平日と言う事もあり…そこまで
レストランは混雑してない感じで。

ホテル全体が和風なのに
ここだけフレンチレストランみたいだ…。

テーブルのセットも…
フレンチみたいだけど…
ナイフとフォークは無くてお箸が置いてある。

普通のフレンチのレストランでも
お箸をお願いする事は…出来るけど…。

『キャビア貰うわ、
後適当に…ワイン頂戴。
こっちには…ノンアルで頼むわ』

コース以外にもアラカルトの
メニューも豊富にある様で
まずは…直哉様はワインで
私にはノンアルコールの
スパークリングワインが届けられて
グラスを合わせて乾杯をする。

テーブルは窓際のライトアップされた
日本庭園が眺められる特等席で。

直哉が注文したキャビアと
それから先付けが運ばれて来る。

この先付けの盛り付けも
使われているお皿も和風だ。

その後もコース形式に
お料理がテーブルに運ばれて来て。

和フレンチと言う言葉が
似合うような盛り付けをされていて。
目にも楽しいお夕食を頂いて。

3階にある客室に戻って来た。

『飯も食って、腹もようなったし。
風呂は…さっき入った事やし…。
ゆっくり…あっちで…遊ぼか?』

こんな風に…どこかへ泊りに来る時も
直哉様は基本的にキャリーバックや
ボストンバックの様な荷物は持たない。

いつも…お屋敷て使ってる
一緒に遊ぶためのオモチャの類も
ちゃんと…泊まるお部屋に置かれていて。

オモチャを使って遊んだ後も、
ベッドの上に放置したままで
それを後片付けをする事もなく…
纏めたりもする事もない。

だから…その…イズミさんが…
それを…洗ったり消毒したり…とか
して…他の荷物と一緒に
持って帰ってる…んだろうけど…。

あっちで遊ぼうと言う…
直哉の視線は
ガラス張りの水回りを挟んだ
向こう側にある
ベッドスペースに向けられて居て。


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