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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第14章 番外編 須磨シーワールド 前編
自分に着付けは出来る物の
人に着せた事は無いので…。
あの3人に教えて貰いながら、
直哉様の支度を一緒に整えた。
その後は…錦鯉の間ではなくて
お天気が良かったから
中庭を眺められる広間に
朝食を用意して貰って。
お庭を眺めながら一緒に
用意された朝食を頂いて。
その後は…お屋敷を出るまでの時間
中庭を直哉様と散歩して。
池の鯉にエサを一緒にあげたりした。
『ほな…そろそろ…、
ここでやなあかん時間らしいわ』
庭で鯉にエサをやっていたら
車の用意が整ったと、
使用人が声を掛けて来たので。
いつも通りに…地下貯蔵庫の
直哉様がお仕事の時の
私の居場所である座敷牢に
直哉様と一緒に移動をする。
今日はちょっとした簡単な
お仕事だと言って居たので、
いつもみたいにお仕事に行く前に
えっちな事をしたりする事もなくて
座敷牢に入ると閂を入口に掛けられて。
テレビは返さなくて良いのかと
直哉に声を掛けると、
今日も見とってええでと
そう言って仕事に行ってしまったので。
テレビの音をBGMにして、
直哉様の着物を縫う作業をして
直哉の帰りを待つ事にした。
直哉様が…お家を出たのが…。
朝の9時半とかそれぐらいの時間で。
今日は3時間もすれば
戻って来ると言うので。
一緒にお昼を食べようと…
そう直哉様が言っていた。
丁度、お昼を過ぎた頃に
お屋敷に直哉様がお戻りになられて。
『このまま昼、
貴船に食べに行こうや』
そう言って車に乗せられて
最近分かった事なのだが、
このお屋敷は京都の貴船神社のある
貴船山と…鞍馬寺のある鞍馬山の
間の辺りにある…地図にも載ってない場所で。
貴船神社からはそう遠くはない。
貴船の川床で鮎と鱧のお料理を
美味しく…頂いて…。
『明日…須磨行くやん?
昼飯食ったらこのまま…
神戸まで行こうや』
と…また…なんとも
直哉様らしい思いつきで
そう話をして来て。
『あれあるやん、あれ』
「あれじゃ…分かりませんが…」
『ほら、神戸言うやたらのやつ…
なんか、改装工事してたらしいやん?』
「もしかして…神戸にある
ポートタワーの事ですか?」