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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第16章 番外編 ~水辺の離れ Calme~

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2024年8月7日

8月の3日の土曜日に

神室寺家で執り行われた

加茂家、阿部家との御三家会議での

お茶席でのお茶を…あんなに大勢の

お客さんに点てたのは…私も初めてで。

お茶の先生には…お客さんが沢山でも

いつものお稽古の時みたいにすれば

一花さんなら大丈夫…とは

お言葉を頂戴しては…居たのだけど……。

今日は…直哉様は…京都市内での

お仕事があるので…、私は…

地下貯蔵庫の中の座敷牢の中にいる。

今は……直哉様が別の反物を

用意してくれたので夏向けの反物で

寝巻の浴衣を仕立てていて。

後もうちょっとで仕上がるから…

暑い間には…出番がありそうだ。


直哉様が用意して下さった

ポータブルテレビの音が

作業中のいいBGMになっている。


ギィイイッと…貯蔵庫の扉が
開く重々しい音が聞こえて来て
階段を誰かが降りて来る。

『一花ちゃん、戻ったで。
今日は…楽な仕事さしてもろたわ…』

「直哉様ッ…お帰りなさいませ。
もう…お戻りになられたのですね……」

『今日は…仕事、はよすんだし…
まだ昼まで時間あるし…
ちょっと飯食いに行こか?』

そう言って貴船の屋敷を出て
車で20分程の…場所の
上賀茂神社の近くにある
おばんざいランチが町家で
楽しめるお店があって…。

人気のランチは…おばんざいが9種類に
つくねのスープもついていて
お腹が一杯になってしまったんだけど
お値段も…そんなに高く無くて。

如何にもな高級店ばっかりじゃなくて
こう言う…リーズナブルな感じの
美味しいお店にも…連れて行ってくれる。

その後は車で10分程の距離の
きぬかけの路にある、
京都府立堂本印象美術館に
ついでの様にして連れて行って貰って。

直哉様が…神社仏閣巡りを
楽しむタイプにも思えないが…。
こんな風に美術鑑賞を楽しむタイプにも
私には…あまり見えなかったんだけど…。

お屋敷に戻ると…いつも通りに
お風呂の用意が整っていると
声を使用人の人が掛けて来て…。
直哉様と一緒に…お仕事の後の…
お風呂の時間を…過ごした。

『明日は…仕事ないし…、
前ぇ~に話しとった、
久美浜にあるカルム行こうや』


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