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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第16章 番外編 ~水辺の離れ Calme~
『焚火テーブルあるから火付けよか?
火眺めながら…あのワイン飲みたいし』
ウッドデッキテラスにある
テーブルは焚火台になっていて
それもガス式のやつだから
火起ししなくても…お手軽に
ゆらゆらとゆらぐ炎を眺められる。
穏やかな…波の音をBGMにして
ゆらゆらと揺れる炎を眺める。
炎を挟んで向こう側には…
グラスにワインを注いで
その炎を眺めながらワインを愉しんでいる
直哉の姿が見えていて。
『焚火の炎で照らされとったら、
いつもよりも…男前に見えたりするん?』
ゲレンデは三割増し…みたいな
そんな言葉があるけど、
焚火には…癒し効果とか…
なんかそんなのがあるとかって
そんな話は何かで聞いた事あるけど…。
でも…この…闇の中を…照らす
柔らかい…炎の揺らぎで…
照らされている…直哉様のお顔は…
確かにいつもよりも…格好良くも
見えない…事も無い様な……??
「べっ別に……いつも通りですよ…」
『なんや……おもんな…』
「で…でも…今日は…
ここに…連れて来て頂いて…
ありがとうございました…。
天橋立も…初めて行ったので…
いい思い出に…なりました…し…
今日は写真も…沢山撮れましたから…」
『また…どっか…一緒に行こうや…。
ひとりで…ええとこ泊まるより、
一花ちゃんが居る方が
俺も…色々…と、楽しめるしなぁ……』
「じゃあ…お稽古…も…
今まで以上に…頑張らないと…ですね…」
ウッドデッキテラスには
リゾート風のラタンの
カウチソファも隅の方に
申し訳なさそうに置いてあって。
大きさは十分にあるので
2人で寛げるだけの
座面の広さがあるから…。
『なぁ、あそこ…一緒に座らへん?
ここやったら…一花ちゃんと
外で…やらしー事しとっても…
誰も…文句言わへんし。
誰かに見られる心配もあらへんし…』
400㎡の…プライベートな空間…。
上には…夏の星空が広がっている。
『夜なったら…海は真っ暗で
見えへんけど…空の星は…
綺麗に見えてんで…?』
ラタンのカウチソファに
ゆったりとして座れば
空の星を一緒に眺められるだろう…。
『一花、おいでぇや』
ちゃん付けじゃなくて
こう言う時に…キメ顔して
イケボ出して呼び捨てにして来るの
本当に狡いから…止めてほしい……。