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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第4章 直哉様のお土産

…ギイイイイィと…上から
あの…重々しい扉が開く
嫌な音が聞こえて来るから。

この…今…私が…頂いている
羊羹のお膳を下膳しに来たのかも知れない。

そう思って…慌てて
残りのもう1切れの羊羹を
大きな口を開けて一花が
頬張った時に…階段を降りて来た
直哉と目が合ってしまった。

私のその姿を見て
その目が丸くなったと思うと
にやぁ…と厭らしい笑顔になって。

『……帰ったで?ただいまぁ…。
俺が…居らんからって…
こん中で、随分と…ゆっくり
お昼寝しとったみたいやなぁ?』

「おっ…お帰りなさいませ…直哉様ッ」

まるで…自分の行動を
見ていたかの様に言われてしまって。
姿勢をサッと…一花が直した。

思わず…監視カメラ…と…
上を見てしまったのだが…
それらしい物は天井には設置されていない。

『俺が…何で…知ってるかって
カメラでも…付いとると思ったん?
残念やけど…そこには…あらへんよ。
俺…今から…風呂…入んねんけど、
一緒に…風呂…入るやろ?自分も…』

ん?ちょっと待って…。
そこには無いんだったら
別のどこかに…あるんじゃ…。

「はい…入らせて頂きます…」

『ほな…、俺の世話…して貰おか…』

……自分の帰宅時間を
予め…伝えている様で…。
あの時もそうだったけど…
今も…ちゃんと…直哉の帰宅時間に
合せてお風呂の用意が整っていた。

直哉から…仕事として…
彼の入浴を手伝う様に言われたので。

一花は直哉と共に…
座敷牢があった離れから
母屋に戻って…風呂場へと向かった。

それにしても…広いな…、

どっかの…温泉旅館ぐらいの
そんな感じの規模はある…。

脱衣場で…直哉の着ている
袴を脱がせようとしたのだが…
無造作に…あっという間に…
慣れた手つきで直哉が着ている物を
全部…脱いでしまって…。

『さっさと…自分も脱いで…
そのまま…中、入って来い』

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