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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第2章 直哉様のお屋敷
もぞもぞっ…と…、自分の膝の上で
直哉が身じろいだので…
一瞬起こしてしまったのかと
一花は慌ててしまったのだが。
単に…寝ポジが悪かっただけの様だ。
多分…年齢は…20代………
30…には…なってない…と思う…。
雰囲気とか…声の感じから…だけど、
多分…27とか28とか…位かな…?
『ん~?どないしたん?
そないそないに、顔見られとったら
俺も…、ゆっくり寝てられへんねんけど?
それもと……も、や。
俺の顔が…男前…過ぎて…
見惚れてしもとったんかいな?
なんや…可愛いなぁ…、自分』
「なななっ…何を…、
言ってるんですかッ…。違います。
み、見惚れてなんて…居ませんッ…。
目の前にあったから…見てただけですッ」
『顔、真っ赤やで?』
そう言って…フッ…と直哉が笑って、
一花の顔を指差して来る。
『さっきよりも…、顔…
また…赤なったんとちゃう?』
ちょっと…嫌味…混じりに…
それでいて…嫌味ぽいのに…
どこか…優し気のある口調で
直哉が…そう…囁く様に言って来て。
顔…も…良いけど…、
こうやって…改めて聞くと…
この人……声も…いい…と…
そんな風に…思ってしまって…。
自分の心臓が…、
無駄にドキドキしてしまって居た。
ダメだ、私…しっかりしなくて…は。
家の為に…この人に…お仕えするんだから。
お仕えする前から…こんな事では、
心臓が…幾つあっても…足りない…。
『あはははっ、ホンマ…、自分。
ええ…リアクションすんなぁ~。
…こら…普段滅多に帰らへん
実家に帰った甲斐もあったってもんやわ。
こんな…ええもん、拾えたんやしなぁ』