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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第7章 直哉様とお出掛け

直哉がその中に…
お気持ちをと…書いてある
注意書きを無視して。

万札を…入れているのが見えて…。

らしいな…と思ってしまった。

連れて来られたお店の店構えに
一花は違和感を憶えた。

お茶を飲むと言ったのだから
喫茶店とか…カフェを想像していたのだが。

看板らしい看板も
なにも掲げていない…
昔ながらの京町屋…の1つに
普通に…直哉が
ガラガラと戸を開けて入って行って。

「あの…ッここ……」

『ああ、ここ?ここはなぁ…
一見さんは…お断りの
…お茶屋さんやで?
お邪魔…さしてもーてんで、
上…の奥の部屋…空いてるん?』

部屋の奥から出て来た、
この茶屋の人らしき人に
直哉がそう声を掛けると。

『これはこれは…直哉様…、
お久しぶりでんなぁ…。この頃
お足が…遠のいとる…思とりましてん。
そう言う理由…やったんでっか。
へぇへぇ、どーぞぉ。
二階の奥……空いとりまっせ…』

このお茶屋さんの…馴染みの客で
ある事は…間違いはなさそうだけど。

このお茶屋さんに…来るのは
大分久しぶり…な様で…。
その…店主…らしき男性の
視線が…舐める様に…私の身体を這って。

ぞぞぞっ…と、一花は
その店主の視線に
寒気の様な嫌悪感がしたのだが。

この…お茶屋さんの…
二階の奥の奥…に位置する。

直哉様の…いつもの部屋に…
案内されて……、すぐに
お茶と…お茶菓子が…
運ばれて来たのだが…。

『おおきに…、もうええで、
後はいつも通りお構いなくで…頼むわ』

お茶…は…確かに出て来た…。

可愛らしい千鳥の形の和三盆は
この近くの和菓子屋さんの物らしい。

それは…いい……。

気になる…のは…、お茶を…

個室でゆっくりと…飲むの分かるけど…。

どうして…奥に布団が敷いてある…のかな?

ここは…そう言う…こう…感じの場所?

それにいつも通りって??


『何も大した事、せーへんし……、
これから…約束あるんやで?
そないそない…ゆっくりは
してられへんねんけど…な…?』

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