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淫夢売ります
第6章 くちなしの恋:あふれる想い
本当はちーちゃんに似合う服をあれこれ物色したかったが、そんなことをしている時間ももったいなかったので、ちーちゃんにはベージュ地のフリルが少し付いたワンピース、私は白のポロシャツとグレーのチノパンにした。
靴は変えられなかったので、ややアンバランスだが、まあいいだろう。
制服は邪魔なので、紙袋に入れて適当にコインロッカーに収める。

取りに来れるとは思えないが・・・

「なんか、ドキドキするね」
ちーちゃんはすっかり開き直ったようで、にこやかに笑う。
「手、つないでいい?」
私が言うと、ちょっと照れた感じで手を繋いでくれた。

そのうち、身長の高い私にしがみつくようにして歩いてくれる。
ちーちゃんの肌のあったかさが伝わってくる。こうして歩いてるだけで、涙が出るほど幸せだった。

とにかく、今日一日、ちーちゃんと楽しくデートするんだ。

午前中はちーちゃんの希望で総合アミューズメントパーク。ボーリングやカラオケもできるし、ゲームセンターもある。
ちーちゃんとボーリングで勝負したが、あっさり負けた。
ゲームセンターではエアホッケー三番勝負、これもあっという間に負けてしまった。

しかし、パンチングマシーン。当然やったことがないが、男の子の今の力なら・・・!
さすがに、体格差もあったことから、これではちーちゃんに勝った。

存分に楽しんだ。

お昼は私の希望でスイーツビュッフェ。男子になっても心は女の子なので、やはりスイーツは食べたい。それに平日昼間なので、安上がりだし、夢の中なので、いくら食べても太らない。
ちーちゃんが大盛りでケーキを持ってくるので、私も負けじと食べる。
互いに美味しいものを交換しあって食べたりする。学校の話、将来の話、食べながら色んな話に花が咲く。

ちーちゃんはやっぱり将来は法律関係の仕事がしたいんだそうだ。
私は旅行会社に勤めたい。
互いに夢を語る。

昼からは水族館だ。ちょっと洒落た大人向けのところ。
透明な水槽から幻想的な青い光がフロアに差す。
その光に照らされるちーちゃんの横顔ばかりを見てしまう。

なんて、可愛くて、なんて、なんて愛おしい。
ずっと、側にいたい。この人の隣にずっと居続けたい。

プロジェクションマッピングにはしゃぐ姿も、
不思議そうにクラゲの水槽を眺める真顔も、
何もかもが、私の心を掴んで離さない。
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