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淫夢売ります
第38章 仮面の夜会/二夜目:テリエ・ドゥ・ラパン
☆☆☆
私は、退屈していた。

夫は良い人だった。中小企業ではあるものの、技術者としてしっかりとした地位を確保していた。収入も満足の行くものだったし、将来性もある。おそらく、課長ポストくらいまでには普通に昇進するだろうと思われた。

子供は一男一女。二人とも聞き分けが良く、ママ友たちからも「明くんは本当にいい子ね」「さっちゃんもすごく成績が良いし」などと褒められる。
実際、長男の明(あきら)は小4で一流と言われる進学塾の入塾も果たし、文句も言わずに勉強をしている。性格も穏やかで、優しい子だ。長女の沙知絵も小学校2年生ながら運動も学業も問題がなく、友達とも元気に遊んでくれている。最近では私が家事をしているとお手伝いなんかもしてくれたりする。

もちろん、子供だし、いたずらしたりわがまま言ったりなどはあるけれども、おそらく家の子たちは、他の家の子達よりも断然育てやすいのだろうな、と思ってしまう。

こんなわけで、私は結構余裕がある。
子供の塾費用を稼ぐという名目で、昔携わっており、趣味でもあるイラスト描きをパート感覚で始めたところ、こちらはこちらで結構注文が来るようになって、それなりの余録になっていた。

朝は夫と子供の食事を作り、簡単に家事を済ませた後、タブレットで絵を描く。長男は学校の後すぐに塾へ向かい、長女も習い事か友達と遊びに行ってしまう。そのため、夕方まではほとんどが私の自由な時間だった。

そして、子どもたちを車で迎えに行って、簡単な夕飯を作って済ませ、夜9時頃には娘が、10時半には息子が眠りにつく。夫は結構帰りが遅いので、夕食を食べてきてしまうことが多くこちらも手間がかからない。

11時半くらいまで本を読んだり、テレビを見たりして過ごし、眠りにつく。

安定しているし、不満はない。
けれども、刺激もない生活だった。

でも今日は・・・

私は一枚のカードを机の上で弄んでいた。
細長い、丈夫な紙製のカード。タロットカードが近いだろうか?いわゆるマルセイユ版と呼ばれる古風なデザインではなく、アールヌーボー調をもう少し現代チックにしたような、そんな絵柄だった。カードの一つの角を机に、対角線のカードを人差し指で押さえてくるくると回転させる。
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