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淫夢売ります
第38章 仮面の夜会/二夜目:テリエ・ドゥ・ラパン
今日は土曜日で、夫も休みだった。息子と娘を連れて博物館に行っていてくれたので、私はその間に娘の通うスイミングスクールで知り合ったママ友たちと不思議な占いの店「夢占 モルフェ」を訪ねたのだ。

このカードはそこで買ってきたもの、だった。

指を離すと、ふわっと一回転して、机に絵柄を上に倒れた。私の手元にあるカードの絵柄は「四つん這いになったうさぎの仮面を付けた女性とその後ろに立つ男性」が描かれていた。
このカードはユメノが机の上にたくさん広げたものから自分で選んだものだった。

このカードを枕の下に敷いて眠ると・・・見れる、のよね?

絵柄を指でなぞる。
うさぎの仮面の女性は、色白で肉付きがよかった。かろうじて白い布のようなものが絡みつくように体の一部を覆っているが、ほとんど全裸に近い。そして、後ろに立つ男性はよく日に焼けた、たくましい体の持ち主だった。

『立っている』などという婉曲な表現では誤魔化せない。この絵が何を意味するのか、理解できないほど私は子供ではなかった。

犯されているのだ。
後ろから。

目の辺りまで覆っているうさぎの仮面で表情が見えないが、口は大きく開いており、喉をのけぞらせている。男性は肉付きの良い腰をしっかりと掴み、背中にのしかかっている。

この男性のペニスは、どのくらいの大きさなの?
どこまで深く抉られてしまっているの?
そして・・・
これ、本当に、アソコだけを犯されているの?

ゴクリと喉が鳴ってしまう。

もちろん、カードを枕の下に敷いただけで淫夢が見られる、などというのは眉唾もいいところだ。私としても、この話が本当かどうか、半信半疑なところはある。しかし、あのお店にいた『ユメノ』という女主人の不思議なキャラクターが、私にこのカードの魔力が本物かもしれないとも思わせていた。

夫はすでに子どもたちと一緒に寝てしまっている。

「試して・・・みようかな・・・」

誰にともなく言ったのだが、その言葉に自分の心臓が、意外なほど強くドキンと跳ねあがった。
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