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淫夢売ります
第39章 仮面の夜会/二夜目:ダン・ル・テリエ
私はいやいやをするように首を振る。
言葉は出なかった。ただ、力なくそうする他なかった。

「もっと、グズグズに堕としてやるよ・・・」

ガクガクと腰を震わせている私を、ノワールは無理矢理に立たせ、磔台に連れて行く。両の腕と足を革製の拘束具でくくりつけられると、私は自分の体を腕で隠すことすらできなくなっていた。

その時、扉からバーテンが入ってきた。

「フィルトゥル・ダムール・・・ドゥーブルです。ご注文はこれで?」
「ああ」

銀のトレイには、薄青く蛍光色に光る不思議な色合いのカクテルが置かれていた。ノワールはそれを受け取ると、ひとりで乾杯をするように、グラスを少し掲げた。

「これからの素敵な夜に」

そのまま一口、カクテルを口に含むと、私にキスをする。
半開きになった私の口に冷たいブルーキュラソーのような爽やかな味のカクテルが流し込まれる。そのまま、私は素直にそれを飲み込んでしまう。アルコール度数が高いのだろうか、苦みがあり、喉を灼きながら胃に落ちてきた。

「昨日も飲んだだろ?
 愛の薬・・・今日は特別製だ」

愛の薬・・・フィル・・・
ああ、それは・・・それって・・・

媚薬・・・。

意識すると、体の奥が熱く、熱くなってくるのを感じた。
ノワールは更に一口、また一口と、私に口移しで愛の薬を注ぎ込む。

一口ごとに、心臓が耳元で暴れ、肌のすぐ下を熱い血が駆け巡るのがわかる。視界がじわりと赤く染まり、聞こえる音すべてが遠のいていくようだった。
お腹の奥がジクジクと疼き、秘唇はだらしなくよだれのような愛液を垂れ流していく。

これ・・・これ、昨日のより・・・

「気づいたか?ドゥーブル、二倍濃度だ・・・
 そろそろ堪えきれないんじゃないか?」

じゅうぶううと一気に二本の指が陰裂に差し入れられる。そのまま中をかき混ぜられる。最初はゆっくり、次第に早く。
昨日と同じだ。的確に女の芯をくすぐり、私の脳髄をとろかしていく。

「あっ!あ♡・・・あん、いや♡」

手足が全く動かせない状態で秘所をぐちぐちとかき回されるなんて経験、もちろんない。逃れようにも身体を動かすことは殆どできない。ただひたすらに送り込まれる快感を受け入れるしかない。

「ダメダメ!!・・・っくぅう!!」
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