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淫夢売ります
第11章 絡まる糸:意識する私
トイレを出ると、すぐ正面にエスカレーターがある。天井の高いエントランスを抜けて、3階まで上がるもののようで、長いものだ。

できるだけ、スカートがまくれあがらないよう、慎重に歩く。少しでも足を大きく開くと私のいやらしい部分が見えてしまいそうだ。

エスカレーターに乗る。可能な限り、足をぴったりとつけ、周囲から見えないようにする。できれば、うしろから見えないように、お尻を押さえたいが、そうするなと言われている以上我慢するしかない。

ちらっと後ろを見ると、何人もの人が私の後ろにいる。高く登っていくエスカレーターだから、スカートの中が見えてしまうかもと気が気ではない。

『どうですか?露出趣味の泉さんには最高ですよね?
 感じてますか?』

か・・・感じるわけ・・・。
ない、と、思うが、意識に反して、私の女の部分はこのシチュエーションにすっかり興奮しているようだった。じわっとヴァギナが濡れてきているのが自分でもわかってしまう。

そんな・・・。

『そろそろ濡れていますか?』

うるさい・・・。
私は羞恥のあまり、唇を噛み締めてうつむく。

『一番上についたら、左手にカフェがあります。
 お茶でもしましょうか』

確かに左手にチェーン店のカフェがあった。

『お好きなものをどうぞ。
 テラス席にしましょうね。
 エスカレーターで上がってくる人がよく見える位置に』

アメリカンコーヒーを頼み、指示通りテラス席に座る。
座るとなおのこと、スカートの中が見えてしまいそうな気がする。

『たくさんの人が、泉さんを見ていますね。
 スカートの中、見えちゃっているんじゃないですか?』

できるだけ、平静を装っているつもりでも、肩や手が小刻みに震えるのが止められない。
スカートの中は暗くて見えることはないと頭では分かっていても、恥ずかしい気持ちが高まってくる。

『もう少し刺激が欲しくないですか?』

もう、これ以上はやめて・・・。
祈るような気持ちでカップの持ち手を握りしめる。

『スカート、少しだけあげてみましょうか・・・』

そんな・・・。

目の前をたくさんのビジネスマンやOLが行き交っている。
談笑する人、スマホで商談らしき電話をしている人、道を急ぐ人・・・
その人達の中、私だけがこんな変態的な行為を行っている。
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