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第4章 踏み出す時

　試合が始まると、健斗はその小学生離れした体格と瞬発力でゴールを死守した。彼の動きはまるでプロのゴールキーパーのようで、観客席からは驚きの声が上がった。彼のプレーはまさに鉄壁で、相手のシュートを次々と防いでいった。
　
　一方、亮はその小柄な体格にもかかわらず、抜群のボールキープ力とパスセンスを持っていた。彼のパスはまるで魔法のように正確で、幾度となく前線へとボールを送り出した。その内の一本が、ついに６年生のフォワードの足元に届き、見事にゴールを決めた。観客席からは歓声が上がり、チームメートたちも喜びを爆発させた。
　
　しかし、それだけではなかった。亮の送ったパスのうち、二本を太一が相手ゴールにたたき込んだ。太一の並外れたスピードは相手チームにも知られていたが、それでも彼を止めることはできなかった。太一の動きはまるで風のようで、相手ディフェンダーたちを次々と置き去りにしていった。その姿に観客は魅了され、声援が一層熱を帯びた。
　
　試合が進むにつれて、グラウンド全体が一つの大きな鼓動となり、KJSCの子どもたちの頑張りと親たちの熱い声援が一体となって、試合の興奮をさらに高めていった。