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Family Crossroads
第5章 夫婦交換 高橋健二と佐藤恵
日曜日の午前9時前、妻の美咲は子どもを連れて家を出て行った。 「がんばって」 と、私は声をかけるしかなかった。
美咲は少し潤んだ目で私を見つめていた。何かを言いたそうだったが、 「行ってきます」 とだけ言って出かけていった。
美咲が出かけてすぐ、佐藤さんの奥さん、恵さんからLINEが来た。 「今、山田さんに子どもたちを預けました。少し早いですが、今からお伺いしてもよろしいでしょうか」 「お待ちしています」 と返信すると、私は客間に布団を一組用意した。夫婦の寝室で恵さんと会うのはためらいがあったからだ。
山田家から我が家までは10分。あっという間の時間だった。戸惑いと不安とそれ以上の期待に胸が押しつぶされそうになる。
チャイムが鳴った。いつも元気いっぱいの恵だが今日は、清楚な印象を感じる、普段はズボンをはいていることが多いが、今日はワンピースを着ているせいかもしれない。
何度も、この家を訪れたことがある恵だったが、もちろん健二と二人っきりになるのは初めてのことである。リビングに通し、ソファーを進めた。コーヒーを二人分入れテーブルに置く。どこに座るか迷った末、隣に座った。会話が続かない。テレビの音声も耳には届かない。
美咲は少し潤んだ目で私を見つめていた。何かを言いたそうだったが、 「行ってきます」 とだけ言って出かけていった。
美咲が出かけてすぐ、佐藤さんの奥さん、恵さんからLINEが来た。 「今、山田さんに子どもたちを預けました。少し早いですが、今からお伺いしてもよろしいでしょうか」 「お待ちしています」 と返信すると、私は客間に布団を一組用意した。夫婦の寝室で恵さんと会うのはためらいがあったからだ。
山田家から我が家までは10分。あっという間の時間だった。戸惑いと不安とそれ以上の期待に胸が押しつぶされそうになる。
チャイムが鳴った。いつも元気いっぱいの恵だが今日は、清楚な印象を感じる、普段はズボンをはいていることが多いが、今日はワンピースを着ているせいかもしれない。
何度も、この家を訪れたことがある恵だったが、もちろん健二と二人っきりになるのは初めてのことである。リビングに通し、ソファーを進めた。コーヒーを二人分入れテーブルに置く。どこに座るか迷った末、隣に座った。会話が続かない。テレビの音声も耳には届かない。