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Family Crossroads
第2章 プロローグ 佐藤家の不満
佐藤夫婦の夜の営みは、いつもリビングで静かに行われる。子どもたちが産まれる前や小さい頃は、寝室でもリビングでも場所を構わず激しい性行為を行っていたのだが。

 夫の隆は性欲が強く、いつも1回では終わらす2回3回と射精するのは当たり前だった。妻の恵も、性に対して貪欲で激しかった。相手がびっくりするほどの嬌声を上げ身もだえるのだ。頻繁に潮を吹くため、後始末に手を焼くことが頻繁にあった。

 しかし、子どもたちが大きくなるにつれ、そうした行為は影を潜め、不満が募っていった。彼らは、マンションに夫婦と小学校5年生の男の子、4年生の女の子と4人で暮らしている。

 それほど立派なマンションではないため、防音が十分ではなかった。その上、夫婦の寝室と子ども部屋は薄い壁を一枚で区切られている。

 声やベッドのきしみは筒抜けである。年頃の子どもたちの手前、いくら好きでも自由奔放にセックスをすることは憚られて。どうしても寝室でのセックスを控え、リビングでの行為を行うしかなかった。それでも、数メートルの距離に子どもたちが寝ていると思うと、声は出せない。

 ラブホテルなどに行って楽しむためには、子どもを預けなければならないがそうした相手もいない。

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