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きのうの夜は
第4章 離婚
そんな大勢での飲み会の時も、吉村は私を自分の席の隣に座らせた。
厳密にいえば、課長の池崎と主任の吉村に挟まれるかの様に座っていたのだ。
飲み会の席になると、何故だか私はコンパニオンの様な役割になった。
別に、私は課長の池崎を嫌いではなかった。
なので、別段隣の席になっても気にはならなかった。
現に、池崎は私の事をとても気に入ってくれていた。
そんな、総勢10人以上でやる飲み会はとても愉しくて騒がしかった。
飲み会の席では無礼講で、他の社員たちもみな池崎や吉村にそれとなく悪態をついていた。
今の若い人達からしたら信じられないと思う。
今では部下を飲みに誘うとセクハラやパワハラになるのだそうだ。
それが本当なら、私は当時かなりのセクハラやパワハラを受けていたことになる。
それを思うとかなり笑えた。
飲み会は盛り上がり、二次会のカラオケに行こうという事になった。
もちろん、私もそれに参加する。
なるだけ自宅には帰りたくないのだ。
みな家族が寝静まってから帰りたかった。
そんな気持ちが通じたのか、二次会のカラオケも大いに盛り上がり、気が付けば終電が過ぎていた。
翌日は土曜日だったので仕事は休みなので別に構わないと思っていた。
その愉しかった二次会のカラオケもお開きになり、各々タクシーを拾って帰ることになった。
気が付けば外の雪は止んでおり、街をうっすらと雪化粧をした銀世界に変えていた。
私は、女子社員の人と同じタクシーで帰ることになった。
女子社員の人は途中の多摩川近くで降りた。
私は、そのままタクシーを走らせ、帰りたくもない二世帯住宅の近くへと車を走って行かせた。
自宅の側の道路でタクシーを停めた。