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きのうの夜は
第4章 離婚
そして、支払いしようとして何気にタクシーの窓から空を見た。
すると、そこには大きな明るい満月が光輝いていたのだ。
その月灯りを見た時に私はこう思ったのだ。
「あぁ、自分はもっと自由になってもいいのかも知れない…」
これで、自分の気持ちは決まったと思った。
私は、雅之と離婚して、このおかしな二世帯住宅を出てゆこうと決めたのだ。
翌日に私は吉村にLINEをした。
「私、今の家を出る事にしたわ…」
「本当か?」
「うん、本当よ…」
「で、引っ越し先はどこにするんだ?」
「まだ、これから決めるところよ…」
「なら、俺の家の近くに引っ越してこいよ…」
その当時、吉村は蒲田周辺に住んでいたと思う。
その蒲田の近くに引っ越してこいと言うのだ。
数日後…。
私は、平日に有給を使って仕事を休み、アパートを探した。
だが、吉村の家の近くのアパートは家賃がとても高く、借りるのは困難だった。
休みの日になると、吉村も一緒に探してくれたのだが、良い物件は見つからなかった。
暫くしてから吉村がこう言ってきた。
「お前の好きなところに住めよ…」
そう吉村が言ってから不思議な事にアパートは直ぐに見つかったのだ。