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きのうの夜は
第5章 天川村
翌朝、私たちは天河神社で行われている雅楽の音色で目が覚めた。
シンと静まり返った空気の中にその雅楽の音色が響いていた。

私は、その雅楽の音色に聞き耳を立てた。
それは、とても私の心に染みこんでくるような音色だった。

その雅楽の音色を聴きながら私は服を着替えた。
吉村はまだ布団の中でグズグズとしている。

私は、部屋を出ると民宿のご主人に聞いてみた。

「雅楽の音色が聞こえますが、昨日はしていませんでしたよね?」
「そうですね、昼間はやらないんです。毎朝、今の時間にやるんですよ…」

「心が洗われるような様な音色ですね…」
「そうでしょう…」

そう言うと民宿のご主人は嬉しそうだった。
私は、布団でグズグズしている吉村を起こした。

吉村は布団から出ると背伸びをして服に着替えていた。
朝食も大広間で食べる事になっていた。

朝食は確かハムエッグにご飯、山菜、鮭やみそ汁などが出たと思った。
食べ終わると部屋に戻り吉村と今日の観光を話し合った。

「今日は、自転車借りて『同川温泉』にある『天川村立資料館』に行かないか?」
「どこにあるの?」

「ちょっと山を登って行くんだけど…自転車でも行けるだろう…」

私たちはその天川村立資料館に行くことにした。
そこは自転車ではかなり体力を使う場所だった。

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