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きのうの夜は
第5章 天川村
民宿のご主人に「行ってきます…」と挨拶をして出発した。
天川村から「胴川温泉」に向かって舗装された山道を自転車で上ってゆく。
その時は分からなかったのだが、一山超えないと胴川温泉には着かないらしい。
私たちはかなりの坂道を自転車で上っていった。
私は、かなり早く上れたのだが吉村は息を切らして必死に上って来ていた。
途中で吉村を待つ間、山の眩しい緑を見ていたのを覚えている。
どれくらい掛かって上っただろうか。
かなりの時間を上って行ったと思う。
私も吉村もかなり汗をかいていた。
「ふぅ、ようやく頂上か?」
「そうね…」
すると、天川村立資料館が見えてきた。
自転車を置いて中にないってみた。
天川村立資料館とは、洞川区民の生活道具の歴史(山仕事・曲げ物しゃこ・ご飯しゃくし・酒樽づくりの道具など)や陀羅尼助に関する展示、また山岳信仰の様子を示す数々の資料や大峯山中から引き上げられた米軍爆撃機B29のエンジンが展示されている。
入口にあるギャラリーほのぼのは無料開放しており、開館期間中、様々な企画展をお楽しめる。
お写経庵ほのぼのでは、写経体験を行っている。
こんなところで心静かな時間を過ごすのも良いかもしれない。
暫く、資料館を見ていたが何だかお腹が空いてきた。
時計を見ると正午に近かった。
胴川温泉の宿場町の様な所を歩いてみる。
すると、一軒の「お食事処」を見つけた。