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きのうの夜は
第1章 プロローグ
私は、この電機メーカーでの仕事が毎日愉しくて仕方がなかった。
でも、そんな愉しい気持ちであっても義母はこう言ってくる。
「いつまで仕事は続けるつもり?早く子供は産まないの?あなたは長男の嫁なのよ?」
私は、これを聞くと正直心の底からうんざりしたのだ。
私は、子供を産むマシンではないと思っていた。
それに、もう雅之とはセックスもしていない。
子供など出来るわけがなかった。
そんな、セックスレスな夫婦にしてしまったことをこの義母は知らないでいた。
私は、こんなことを言われるのが堪らなくイヤで、仕事に没頭していった。
何しろ、この大手電機メーカーでは仕事以外でも愉しかったのだ。
週末になると私は上司である課長や主任たちに連れられて、同期の女子と共に飲みに連れていかれていた。
その飲み会でも私はとても愉しかったのだ。
飲み会の席でも私は何故だか分からないが、上司の人から気に入られていた。
まだ29歳と言う年齢だったからだろうか。
しかし、29歳にしては幼く見えただろうと思う。
その私の直属の上司である人から特に私は気に入られていた。
その上司の役職は主任だった。
派遣社員である私の世話係でもある存在だった。
まさか、その主任とあんな関係になるとは、その当時は思ってもいなかった。
その主任の名前を吉村浩史と言った。
当時の年齢はまだ32歳だったと思う。
吉村と私の距離は徐々にではあるが近くなっていったのだ。