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きのうの夜は
第6章 明日香村

ここまで読んできて退屈してしまった人も多いと思う。
でも、私はこの遺跡や古墳たちがとても好きだった。

自転車でかなりの距離を移動したと思う。
明日香村は空気が澄んでおりとても広く緑が美しく、飛鳥川も綺麗だった。

暫くすると、陽が傾き夕暮れになった。

「随分、回ったな…」
「そうね、沢山見たわ…」

「今夜はどこに泊るんだっけ?」
「え?確か、橿原神宮周辺のシティホテルよ?」

「そうだっけ?」

吉村はそれを忘れている様だった。
夕暮れの橿原神宮駅前まで自転車で戻る。

自転車は置きっぱなしで良かったのだ。
後日、自転車回収用のトラックが来て回収してくれるのだ。

ホテルは橿原神宮駅から直ぐ近くだったと思う。
部屋はツインになっていて大きなベッドが2つ並んでいた。

荷物を置くと、私たちは夕飯を食べに外に出た。
外は、すでに陽が落ちて暗くなっていた。

何を食べたのだろう。
余り覚えていない。

ただ、私は少し疲れが出ていてイラっとしていた。
そのイラつきを吉村は気づいていたようでこう言ってくる。

「今日は疲れただろう?」

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