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きのうの夜は
第6章 明日香村
3つ目は高松塚古墳だ。
高松塚古墳は文武天皇陵の北東にある小さな円墳。
昭和47年石槨内部から鮮やかな壁画が発見され一躍有名になったところだ。
7~8世紀初めの古墳終末期の築造と推定され内部正面北壁に玄武、東西の壁中央に青竜と白虎、それをはさんで4人ずつ計16人の男女の群像、また天井には星宿図が極彩色で描かれている。
すでに盗掘されていた石槨から、海獣葡萄鏡や刀剣金具をはじめ人骨も出土している。
4つ目は鬼の爼・鬼の雪隠だ。
鬼の俎・鬼の雪隠は二つの大きな石造物で共に古墳の横口式石槨で、俎とよぶ石の上に雪隠のくりぬき石を組合せてのせていたものと推測されている。
5つ目は酒船石だ。
酒船石は長さ5mほどの石面に溝や受皿様の切りこみをしたもので、酒の濾器か製油器ではなかったかと推測されている。
6つ目は亀石だ。
微笑んだような表情が愛らしい明日香を代表する謎の石造物のひとつだ。
巨大な花崗岩に亀のような動物が彫られている。
亀石は当麻の蛇の仕業で湖が干上がって死んでしまった亀を弔ったもので、元は北向きだったものが現在の南西へと向きを変えており、亀が当麻の方向である西を向いた時、大和国一帯が泥の海に沈むという怖い伝説も残されている。
7つ目は橘寺にある二面石だ。
橘寺境内にある、善面と悪面2つの顔をもつ石造物。
その姿形から猿石と同じ場所から掘り出されたと考えられている。
無垢な顔つきの善面と、大きくゆがめられた悪面の対比が目を引く石だ。