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きのうの夜は
第8章 八丁の湯
部屋にはすでに、露天風呂から戻って来た吉村が布団に寝ころんでいた。
「何だ、髪洗って来たのか?」
「ええ、ちょっと汗ばんでたから洗ってきたわ…」
「一緒に入れたら俺が洗ってやったのに…」
私は別に洗って貰わなくても構わなかったのでそれには答えないでいた。
吉村は、一緒にお風呂に入るといつも私の身体と髪を洗ってくれる。
それは、大切なお人形の身体を洗う様だったのだ。
私は、それが本当はイヤで堪らなかったが抵抗できなかった。
私は無言で髪を乾かした。
その姿を吉村は黙って見ていたのだ。
暫くドライヤーで乾かしているうちに完全に髪は乾いてゆく。
「あー、スッキリした…」
私は思わずそう言ってしまう。
何気に、敷かれた布団に倒れ込んだ。
すると、吉村がにじり寄って来る。
「いいだろう?させてくれないか?」
「え?ここで?」
「そうだよ…ここでだ…」
「だって、隣の人の声が聞こえるわ…」
「声、抑えろよ…」
そんな会話をしているうちにキスをされてしまたった。
始めはフレンチに、そしてディープキスへと変わってゆく。