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ヒヤシンスの恋
第1章 菫のため息
「やだやだ!どうしよう!パンツ!パンツ見られてた!」
家に帰った菫は恥ずかしさのあまり憤死しそうにパンツを握りしめる。
「よりによってこんなエッチなパンツ!!
普段履かないのに!!
もう!!」
もうもうもう!!
シュガーピンクのTバックのパンツを思い切り床に投げつける。
「ゆっきーのバカ!!」
八つ当たりだ。
有紀子は悪くない。
「ごめん、ゆっきー」
小声で謝る。
…それにしても…
菫はソファにごろりと横になる。
…縁側の窓を開け放っているので、美しい三日月が見える。
…あの男の子の…眉みたい…。
「…綺麗な男の子だったなあ…」
大きなため息を吐く。
まだ、夢の中にいるみたいだ…。
…一瞬、薔薇の精かと思った…。
完璧な、ひんやりとした、人外の美貌…。
人間離れした美青年…ているんだわ…。
亮ちゃんだってなかなかイケメンだけど、全然違う。
同じ男性には見えない。
…というか、人間であんなに美しいひとがいるなんて…。
「…20歳くらい?大学生くらいに見えたけど…。
…あれ?
ピアノ教室…てことは、ピアノの先生よね?
あの若さで?
じゃあ音大生?
すごい!
…あ、でも引きこもり…て言ってたなあ。
引きこもりの…ピアノの先生?」
…何もかも不明。
謎ばかりだ。
…だって…
まだ名前も知らない。
何も知らない。
知りたいことばかりだ…。
貴方の名前は?
歳はいくつ?
大学生なの?
何をしているの?
ひとりで住んでいるの?
あんな大きなお家に…檻のような薔薇に囲まれて…。
…こんなに、ひとりの男の子を知りたくなったのは生まれて初めてだ…。
…明日…明日…すこし…わかるといいな…。
分かったら…そしたら…そしたら…
そんなことを思いながら、ふわりふわりと菫は眠りの世界へと落ちてしまったのだった…。
家に帰った菫は恥ずかしさのあまり憤死しそうにパンツを握りしめる。
「よりによってこんなエッチなパンツ!!
普段履かないのに!!
もう!!」
もうもうもう!!
シュガーピンクのTバックのパンツを思い切り床に投げつける。
「ゆっきーのバカ!!」
八つ当たりだ。
有紀子は悪くない。
「ごめん、ゆっきー」
小声で謝る。
…それにしても…
菫はソファにごろりと横になる。
…縁側の窓を開け放っているので、美しい三日月が見える。
…あの男の子の…眉みたい…。
「…綺麗な男の子だったなあ…」
大きなため息を吐く。
まだ、夢の中にいるみたいだ…。
…一瞬、薔薇の精かと思った…。
完璧な、ひんやりとした、人外の美貌…。
人間離れした美青年…ているんだわ…。
亮ちゃんだってなかなかイケメンだけど、全然違う。
同じ男性には見えない。
…というか、人間であんなに美しいひとがいるなんて…。
「…20歳くらい?大学生くらいに見えたけど…。
…あれ?
ピアノ教室…てことは、ピアノの先生よね?
あの若さで?
じゃあ音大生?
すごい!
…あ、でも引きこもり…て言ってたなあ。
引きこもりの…ピアノの先生?」
…何もかも不明。
謎ばかりだ。
…だって…
まだ名前も知らない。
何も知らない。
知りたいことばかりだ…。
貴方の名前は?
歳はいくつ?
大学生なの?
何をしているの?
ひとりで住んでいるの?
あんな大きなお家に…檻のような薔薇に囲まれて…。
…こんなに、ひとりの男の子を知りたくなったのは生まれて初めてだ…。
…明日…明日…すこし…わかるといいな…。
分かったら…そしたら…そしたら…
そんなことを思いながら、ふわりふわりと菫は眠りの世界へと落ちてしまったのだった…。