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ヒヤシンスの恋
第2章 薔薇の秘密

「…そ、そうでしょうか…」
『貴女が必要だ』
なんて、言われたことはない。
夫にもだ。
『大好きだよ』『愛しているよ』は何回も言われたけれども。
『必要だ』
…なんて言葉…
そんな、切実な言葉…
…まるで…
菫はどぎまぎとして慌ててキャラメルラテを一口飲んだ。
…キャラメルラテ…ってこんなに甘かったっけ?
いやいや、
勘違いしてはいけない。
目の前にいる男は、自分の家の大家であり雇用主。
ただそれだけだ。
心を鎮めるために思い切って今まで心の内にあった疑問を口にしてみた。
「…あの…。
染布先生は…どうして大学を休んでいらっしゃるのですか?
お身体はお元気そうですけれど…」
ずっと不思議だったのだ。
あんなにも若く美しい輝くばかりの青年が、ピアノの才能も持ち合わせている青年が、なぜ家に引き篭もり続けているのか…。
『貴女が必要だ』
なんて、言われたことはない。
夫にもだ。
『大好きだよ』『愛しているよ』は何回も言われたけれども。
『必要だ』
…なんて言葉…
そんな、切実な言葉…
…まるで…
菫はどぎまぎとして慌ててキャラメルラテを一口飲んだ。
…キャラメルラテ…ってこんなに甘かったっけ?
いやいや、
勘違いしてはいけない。
目の前にいる男は、自分の家の大家であり雇用主。
ただそれだけだ。
心を鎮めるために思い切って今まで心の内にあった疑問を口にしてみた。
「…あの…。
染布先生は…どうして大学を休んでいらっしゃるのですか?
お身体はお元気そうですけれど…」
ずっと不思議だったのだ。
あんなにも若く美しい輝くばかりの青年が、ピアノの才能も持ち合わせている青年が、なぜ家に引き篭もり続けているのか…。

