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人見知り巨乳女子とロールキャベツ系整体師の恋
第7章 疼きを鎮めるための行為
綾子が、ビクン、と、ほんの少し身を仰け反らせた。
…ん?
もしや…と思いつつ様子を見ると、
「ーーーーっっ!!!!」
綾子の口は彼女の手によって塞がれていたので、よく聞こえなかったが、小さな悲鳴のような声が聞こえた。
………
「もうイッちゃったんですか?」
思いがけず目的を達成してしまったことが予想外で、つい素の状態で訊いてしまった。
力なく背後に倒れ、仰向けになった状態の綾子に、逃がしたくない思いで覆いかぶさる。
「処女なのに、そんなに早くイケるってすごいですよ」
実際処女なのかどうかは知らなかったが、そうあることを願って言ってみた。
その言葉を否定しない綾子が内心何を考えているのか分からなかったが、初めての絶頂を体験したばかりの彼女の淫靡さに吸い込まれるように、大樹は自然と顔を近づけてしまう。
しかし、綾子はサッと横を向き、片手で顔を隠した。
はぁ……はぁ……はぁ……
激しい運動の後のように息を吐いているが、片手のガードは硬い様子だ。
「オーガズムは皆経験してることなので、恥ずかしがらなくて大丈夫ですよ」
おそらく無意味であろうフォローを入れ、ダメ元で綾子の手をどけようと試みる。
「すみません、こんな……
私…帰ります………………」
…そりゃあ、我に返っちゃえば、この状況から逃げたくもなるよな
大樹は諦めて綾子から身体を離した。
「全然、大丈夫ですよ。
もう閉めるだけだったので」
余裕のあるフリができているか分からず、誤魔化すように後片付けを始めた。
間もなく綾子は去るだろう
そして、わけのわからない行為をさせられたこの店には二度と来ないだろう
友人に今日のことを話すのかな
考えても仕方のないことを悶々と考えてしまう女々しい自分を嫌悪した。
住所と電話番号は知ってるから、会おうと思えばいくらでも…
などと、またも自分のストーカー気質に気付く。
会計時には、時間を気にした綾子が追加料金を払おうとしてきたので、大樹はその時初めて、30分もオーバーしていることに気が付いた。
あんなことをしておいて、追加料金なんて受け取る気はもちろん無く、半ば虚無を感じながら綾子の後ろ姿を見送った。