この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネコの運ぶ夢
第9章 お仕事ネコ
☆☆☆
音子はスースーと気持ちよさそうに寝息を立てているが、ギュッと抱きしめられたままのせいか、一方の俺はなかなか眠れなかった。

目を開けると、目の前には音子の頭頂部が見える。
この子はいったいなんなんだろう。

音子がうちに来てからというもの、幾度ともなく抱いた疑問だ。

こんなおじさんに、こんなに好き好きアピールをして。
手をつなぎたがったり、一緒に寝たがったり。
俺がもし、お前のことを襲ったらどうするつもりだ!?

「音子は全然構いません!」
とか言うのか?言いそうだな。

ただな・・・。お前の未来に俺の入る余地はないよ。
年齢が違いすぎるだろ・・・。

それなのに・・・

俺は今日ことを思い出す。俺が他の女性と話しただけであんなにヤキモチを焼くとは。
正直、ちょっと面倒くさい。
ただ、なぜだかちょっと、ほんのちょっとだけだけど、嬉しかった。

こんなに大事に思われてると感じたのはいったい何年ぶりだろうか?
もしかしたら、前の妻との間でもこんな感じを抱くことはなかったかもしれない。

周囲の人が俺に求めているのは、「機能」で、俺の「存在」じゃない。
金を稼ぐ機能、
仕事をする機能、
自分の都合よく何かをしてくれる、そんな「機能」。

機能は代替が効く。
いい例が前妻だ。金さえ払ってくれればいいと言う。

でも、音子は俺そのものを求めている。俺の「存在」をひたすらに求める。
それが、俺にとって、どんなに嬉しいことか、音子はわかるだろうか。

ああ、まずいな・・・。俺は音子を『愛おしい』と思い始めてしまっている。
未来なんてないのに・・・、苦しい結末になるのは分かっているのに・・・。

でも・・・。ここまでひとりで頑張ってきたんだ。こうして目の前にある、こんなにも温かい気持ちを、もう少しだけ、感じてもいいのではないだろうか。

傷つけないから、絶対、悲しませないから。
だから、すまない・・・、ちょっとだけ、わがままをさせて欲しい。

この日、俺は初めて、音子の身体に腕を回して、そっと自分の身に抱き寄せてしまった。
/93ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ